【大阪府】富田林(富田林市)
城之門筋の町並み
大阪府南東部の南河内地域に位置する富田林は、永禄3年[1560]頃に本願寺興正寺別院の寺内町として築かれた。
寺内町は周辺の平地部より数メートルの高さを持つ高台にあり、外敵の侵入を防ぐため周囲に竹藪を伴った土居を廻らしていたという。
興正寺別院を中心に南北6筋、東西7町に整然と区画されていたが、町筋は半間ほど道をずらす「あてまげ」により見通しが効かないように防衛上の工夫されている。
戦国時代にあって平和政策を取り続けたことで寺内町を守り続けてきた。
江戸時代は天領となり、宗教都市としての役割こそ薄れたものの、東高野街道や千早街道が交わる陸陸運、また石川の水運に恵まれていたこともあって、周辺の農産物の物資の集散地として発展した。
歴史的町並みは東西約470メートル、南北約400メートル約350メートルに広がる寺内町の大部分に見られ、木綿商、油商、造り酒屋などの大規模な商家が軒を連ね、本瓦葺の屋根に塗籠の豪壮な造りに往時の繁栄を偲ぶことができる。
大阪府で唯一の重要伝統的建造物群保存地区である(平成30年[2018]指定)。
【大阪府】富田林「城之門筋」(富田林市)202103
富田林寺内町は重要伝統的建造物群保存地区に選定され、中でも興正寺門前の"城之門筋"は「日本の道百選」に選定されている。
【大阪府】富田林「奥谷家住宅」(富田林市)202103
富山町に面している「奥谷家」は江戸時代半ばから材木商を営んでいたという。
文政年間の建物で、妻側の意匠が兜造りという豪壮な構えをとどめている。
【大阪府】富田林「城之門筋」(富田林市)202103
【大阪府】富田林「越井家住宅」(富田林市)202103
北会所町から富山町にかけて広大な敷地に建つ「越井家」(写真上)は古くからの材木商で、安政年間は庄屋を務めたという。
富山町沿いに長大な米蔵が建つ(写真下)。
【大阪府】富田林「御坊町」(富田林市)202103
妙慶寺(左手前)と興正寺別院という2つの寺院が並ぶ町筋。
寺院の屋根が複雑に入り組んでいて、町並みの一部を構成している。
【大阪府】富田林「堺町」(富田林市)202103
油屋を営んでいた「杉田家住宅」(手前)と木綿問屋だった「田守家住宅」が、城之門筋を挟んで並ぶ。
【大阪府】富田林「林町」(富田林市)202103
寺内町の南端の通り「林町」に国重要文化財「旧杉山家住宅」がある。
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