【長野県】松本(松本市)


現存十二天守の一つ「松本城」


長野県の中心部に位置する松本は、西の飛騨山脈(北アルプス)と東の筑摩山地(美ヶ原)に挟まれた松本盆地の中心部、複合扇状地上に市街地が広がり(標高約600m)、現存十二天守の一つ「松本城」を擁する城下町として発展した。

天正10年に小笠原長頼が深志城に入り「松本城」と改めるも、すぐ豊臣譜代の石川和正が入封すると近世城郭として整備され、城下町も形成される。

城の南部を東西に流れる女鳥羽川を境に北側が武家街、南側が町人街として城下町が形成された。

善光寺街道沿いの本町と中町、女鳥羽川南岸の東町が城下町の中心に当たり、江戸後期の人口は武家と合わせて2万弱いたとされ、信州最大の商業都市でもあった。

近代に入り日本銀行支店が松本市に開業したことで、県庁所在地で県政の中心である長野市とは別に、金融・経済の中心として発展する。

松本市街地は大規模な戦火に見舞われなかったこともあって、戦前の町並みが広範に残存する。

中町通り(現・中央二~三丁目)を中心に、明治21年の大火(約1100戸焼失)後に建造された土蔵造りの町家や看板建築が多く残る一方、武家屋敷はほとんど見られず、学校や官庁がその跡にできたものと思われる。


【長野県】中町通り(松本市)202105

女鳥羽川と南側に並行する中町通りには、明治21年の大火を境に多く造られた土蔵造りの歴史的建造物が軒を連ね、往時の城下の繁栄ぶりを今に伝えている。

町家は切妻平入で出桁造り、一階が海鼠壁、二階が漆喰で固められたものが多く、看板建築が時折入り混じっている。

近年は電柱の撤去や電線の地下化など大規模な街並み整備が行われたことで、観光客向けの小奇麗な印象を受ける。

黒漆喰の酒蔵を移築した「中町蔵シック館」(中町蔵の会館)

蔵造りに混じって存在感出している看板建築「ミドリ薬品」(昭和2年築)



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郷愁の風景

(旧★KENTAの写真創庫★) 東京や近郊(ごくまれに遠方)を中心に、 散歩がてらデジカメ📷で下手糞な写真を撮り続けています。 人様にお見せするというよりは、忘備録的なアルバムとなっています。 【主な対象物】 古い民家や街並み 遊里跡(遊廓・赤線・カフェー街・花街) レトロ建築 その他心象風景