【岐阜県】白川郷(白川村荻町)


白川郷は岐阜県北部(飛騨地方)の庄川沿いの村で、五箇山とともに深い山岳地帯にあり、集落の多くは庄川の瀬麻衣河岸段丘に集まっている。

江戸時代まで、稲作がほとんどできなかったため、わずかな畑作と焼畑で自給程度の農業生産しかできず、集落周辺の御用林の伐採や搬出、流送などで生計を立てていた。

17世紀後半頃から養蚕が本格化し、煙硝の製造もおこなわれるようになる。

特に養蚕は桑の集積や蚕の飼育で広い屋内空間を必要としていたため、家屋の屋根裏を活用する合掌造り家屋が増えた。

白川郷の中心にあたる荻町は、比較的恵まれた平坦地を持ち、庄川に沿う街道を中心に約60軒もの切妻造・茅葺き・平入の合掌造り民家が点在し、その周辺に田畑と水路が広がっている。

年間通して北からの風に合わせて妻面を南と北にとって通風を確保するため、ほぼ同じ方向に並び、独特の集落景観をなしている。


【岐阜県】白川郷(白川村荻町)201806

大規模な合掌造り茅葺き民家が並ぶ白川村荻町。 

世間一般的には"白川郷"という名で通っているこの集落、1976年に重要伝統的建造物群保存地区に選定され、95年にユネスコの世界文化遺産にまで登録された。 

写真カメラは、荻町城址の展望台(城山展望台)からの全景を撮ったもので、観光写真などで多く目にすることが多いだろう。 

ここはうってつけの俯瞰ポイントで、風景を魅力的なものにしている。  

2年前に一度訪問したことがあるが、当時は平日にもかかわらず外国人観光客で溢れ返っていた。 

とはいえ、この位置に立つと流石に迫力ある家並だと感じ、メインの通りを歩く観光客が蟻ん子のように小さく見える。 


【岐阜県】白川郷(白川村荻町)201806 

白川郷を散策していると、偶然にも茅葺き屋根の葺き替え作業の光景に遭遇した。 

白川郷の集落での生活は、昔から個々の家の助け合いと協力によって営まれ、維持・存続が図られてきた。 

集落が山間部に位置し、とりわけ冬季には雪に閉ざされ、各集落が孤立を余儀なくされる厳しい自然条件に置かれた白川村のような山村にあっては、家が単独で生活を維持するのは大変困難である。 

そのため、年間を通したさまざまな暮らしの場面で「結(ユイ)」「合力(コウリャク)」と呼ばれる相互扶助の関係が築かれてきた。  

茅葺き屋根の葺き替えは30年周期で、その「結」による共同作業で行われる。


応援よろしくお願いします

郷愁の風景

(旧★KENTAの写真創庫★) 東京や近郊(ごくまれに遠方)を中心に、 散歩がてらデジカメ📷で下手糞な写真を撮り続けています。 人様にお見せするというよりは、忘備録的なアルバムとなっています。 【主な対象物】 古い民家や街並み 遊里跡(遊廓・赤線・カフェー街・花街) レトロ建築 その他心象風景