【東京都】麻布(港区)
麻布は谷地と台地で起伏が富んでいる典型的な山の手で、台地の縁に古川が流れている。
世間で広くイメージされる高級住宅街は主に台地に広がっているが、古くから職人や町人が住んでいた谷地には木造家屋が密集するエリアが残っており、同じエリアでも異なる顔を見せる。
また、麻布山と呼ばれている善福寺を中心に寺院も多く、寺町の側面を持っている。
その善福寺は開国時のアメリカ公使館も兼ねていたが、その流れか各国大使館も多い。
【東京都】元麻布(港区)202003
高級住宅街のイメージが強い麻布だが、それは高台の話であって、窪地に入ると時代から取り残されたような風景に出会う。
本光寺下には三方が崖のすり鉢状の窪地になっていて、そこに板張りの壁、木製の窓にバルコニー、植木など、昔ながらの長屋が並ぶ狭い路地が見られる。
下見板張りにバルコニー、家の前には植木が並ぶ。窓には細かい格子でプライバシーを守る
車も通れない狭い路地にバルコニーが張り出している。向こうの高台には高層マンション。
【東京都】元麻布(港区)202003
高級住宅が並ぶ麻布の高台に、ぽつんと一軒残っている古い土蔵。
その裏には木造の家屋が続き、奥行きのある敷地を持った店を構えていたとわかる。
解体工事の案内が張り出されていて、この光景が見られるのもあとわずか。
【東京都】麻布「安藤記念教会」(港区)202003
高級住宅が並ぶ麻布の高台に建つ大谷石造りの「安藤記念教会」(大正7年築)。
創立者の安藤太郎は元外務省役人で初代ハワイ総領事を務めた人物で、現地で洗礼を受け、帰国後にこの教会をたてた。
尖塔型の窓には小川三知の制作によるステンドグラスがはめ込まれ、「ハワイ初回受洗者」を記念する文字が内側から見えるそうだ。
【東京都】麻布「阿部美樹志邸」(港区)202003
元麻布の高台は大名屋敷が並び、その跡地が邸宅や学校、教会に引き継がれて使われている。
戦前建築として残っている邸宅の一つが、コンクリート建築の一人者だった阿部美樹志の旧邸(大正13年築)。
【東京都】麻布「松方ハウス」(港区)202003
現在は西町インターナショナルスクールの本部として使われている、通称「松方ハウス」。
明治の元勲・松方正義の九男(正熊)の邸宅として大正10年竣工、設計はW.M.ヴォーリズ。
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