【石川県】にし茶屋街「西廓」(金沢市)
浅野川流域の「東廓」と同時に犀川流域に「西廓」が許可されたのが文政3年。
『全国遊郭案内』によれば東廓の84軒に対し113軒の貸座敷または揚屋、待合茶屋があった。
現在は「にし茶屋街」として「ひがし茶屋街」と同様に整備されている。
一方、「にし茶屋街」に隣接してスナックが多く集まっているのが「石坂」で、「ひがし」の「愛宕」と同様に赤線だった遊里で、現役のスナックに混じってタイル装飾を持つお茶屋建築も残っている。
【石川県】にし茶屋街「西廓」(金沢市)201507
にし茶屋街には一本のメインストリートの両側にお茶屋が建ち並ぶが、ひがし茶屋街と比べると規模は大きくない。
「ひがし」が重伝建指定を受け、代表的な観光地として認知されているのとは対照的で、観光客の姿が少ない分ゆったりと歩くことができる。
お茶屋建築は「ひがし」「主計町」と同様に2階建てで、1階は「木虫籠」と呼ばれる細かい縦格子の出格子で、2階が客用座敷、街路側を縁として雨戸を設けているのが多い。
西茶屋資料館
ここは作家・島田清次郎ゆかりの地で、少年期を過ごしたお茶屋「吉米楼」を再現させた
モダンな下見板張り洋風建築の検番
【石川県】石坂(金沢市)201507
にし茶屋街から水路を渡った先にスナックが集まる遊里が赤線の流れを汲む「石坂」である。
赤線廃止後も現役の遊里として健在だが、細い路地に艶っぽい窓や豆タイルの装飾をもつお茶屋が多く集まっており、往時の隆盛を物語っている数少ない存在だろう。
「赤」特有の艶っぽい装飾が目立つ「石坂」のお茶屋建築
【石川県】犀川大橋(金沢市)201507
香林坊方面からにし茶屋街に向かう途中の犀川大橋から斜面上に四階楼と思われる建物を目にする。
橋を渡って左に入ると寺町へ向かう蛤坂が伸びるが、そこに件の木造建築があるが、通りからは三階楼になっている。
この建物は料亭「山錦楼」で、明治20年に二階建てとして建てられたが、後に増築して現在の姿になった。
明治20年築の料亭「山錦楼」
大正13年架橋のトラスト橋「犀川大橋」(国登録有形文化財)
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